HOME 人材育成コラム AIで人材育成はこう変わる──研修前・中・後で“効果的”な活用方法を紹介

AIで人材育成はこう変わる──研修前・中・後で“効果的”な活用方法を紹介

「研修を実施しても成果が見えにくい」「育成の手応えを感じられない」
そんな悩みを抱える人事・教育担当者は少なくありません。

社員一人ひとりの理解度や課題は異なり、画一的な研修では本当の成長につながりにくいのが現実です。
そこで注目されているのが、AIを活用した人材育成です。AIを活用すれば、受講者一人ひとりに最適な学びを提供でき、学習の定着やモチベーション向上にもつながります。

本記事では、AIを活用した研修の具体的な活用事例と、導入を成功させるための実践ヒントをご紹介します。

1.人材育成におけるAI活用とは

AIで人材育成はこう変わる

AIは、研修・教育の効率化だけでなく、社員一人ひとりの学びを最適化するツールとして注目されています。まずはその全体像を見ていきましょう。

AI活用の主な形態

「AI活用」とは人材育成のプロセスにAIを組み込み、研修・教育の質とスピードを高めることを指します。最近では、生成AI・機械学習・自然言語処理などの技術が研修や学習支援に使用されており、AI活用の具体例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 社員のスキルデータをAIが分析し、苦手分野を特定して最適な教育プランを提示
  • 社内研修でAIが教材作成をサポート
  • 生成AIを使った「AI講師」「AIメンター」の登場
  • ChatGPTを使ったロールプレイ・OJT補助事例
  • AIが研修後のフォローアップを自動化(リマインド・クイズなど)
  • AIによる自動採点やレポート評価

このように、AI活用は「人が一律に教える」研修から、「AIが一人ひとりに伴走する学び」へとシフトする大きなカギとなります。AIを活用することで個人のスキルや理解度に合わせた学びの提供が可能になり、より早く・深く社員を育てることができますね。会社にも社員にも大きなメリットとなるでしょう。

迅速・有効な研修を提供できることのほか、DXの推進や人材不足、教育コストの高騰といった社会的課題もAI活用が進められている理由の一つとなっています。

2.研修実施におけるAI活用の具体例

AIで人材育成はこう変わる

AIは、社員研修の準備段階から当日の運営、研修後のフォローに至るまで、各フェーズで効果的に活用できます。ここでは、研修の各段階でどのようにAIを活用できるのかを見ていきましょう。

事前準備フェーズ

効果的な研修を行うための第一歩は、現状を把握し課題を見つけ出すことです。AIで過去の研修データの分析や事前アンケートを分析し、受講者のスキル・理解度をAI診断することで、受講者の課題を可視化できます。

明らかになった課題をもとに、AIが必要な研修テーマを分析し、研修カリキュラムを自動設計することも可能です。

 

教材の作成にもAIを活用することができます。生成AIで課題に合わせた教材・演習問題や、個人ごとのレベルに合わせた教材を作成できます。また、AIが生成する要点まとめ動画、クイズなどの短時間学習教材を事前配布し、当日研修の理解度を高めるといった使い方も効果的です。

研修を実施するからには、課題に合わせたカリキュラムを用意し、確実に成果につなげたいものです。

 

セゾンパーソナルプラスでは、コンサルタントが丁寧な事前ヒアリングを行い、研修をオーダーメイドで設計。コンサルタントの知見・経験を組み合わせ、受講者に最適な研修をご提供します。

社員研修についてご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

研修当日

研修実施中のサポートにAIを活用することで、講師の負担を減らしつつ受講者の理解・実践力を高めることができます。

講師の説明をAIがリアルタイムで要約・板書化するAIアシスト型講義なら、議論のキーワードを整理しながら進行できるでしょう。講師が拾いきれない質問をAIが即時回答したり、回答のたたき台を出したりするAIサポートQ&Aも効果的です。

営業やクレーム対応などのロールプレイ演習では、AIが「お客様」や「部下」の役を担当。受講者の発言内容に応じて自然に反応し、実践的なトレーニングを可能にします。個別にフィードバックも可能で、人材育成研修の効果を高められるでしょう。

グループワークにもAIを活用できます。AIがグループごとの意見を自動で整理し議論の流れや抜けている視点を提示することで、より深い話し合いを促進します。

AI活用によって理解度に応じた追加教材の配布も可能になります。研修中にAIが理解度を測定し、必要な人にだけ補足教材や動画を自動で送信。全員の学習ペースに合わせたサポートで過不足のない研修の実現に役立ちます。

研修後フォロー

研修は「終わってから」が本当のスタート。「やりっぱなし」「受けただけ」の研修にならないよう、AIを活用した確実なフォローで学びを定着させ、継続的な成長につなげましょう。

AIで受講データを分析することで、理解が浅い分野や強化すべきスキルを自動で洗い出すことができます。個人ごとに次に学ぶべき教材や行動課題を提示できるので、一人ひとりに合わせた学習計画を立てられるでしょう。

アンケートやテスト結果を解析し、研修効果をレポート化する際にも役立ちます。成果をひと目で確認できるよう、学習履歴や理解度の変化をAIでグラフ化するのもおすすめ。教育投資の効果を数字で見える化できるので、モチベーションにもつながりますね。

研修後の一定期間に合わせてAIが復習教材(確認テストやクイズ)を自動配信するなど、学びを忘れさせない仕組み作りにも役立ちます。また、AIを活用すればテストの自動採点も可能。短時間で正確に結果を出せるため、担当者の手間を大幅に削減できます。

 

研修で学んだ知識を定着させるためには研修終了後のフォローが重要です。セゾンパーソナルプラスでは、報告書を作成し報告会を設けて振り返りを実施することはもちろん、受講者の状況に応じた最適なフォローアップを提案しています。

3.AI活用によるメリット

AIで人材育成はこう変わる

AIを活用することで、人材育成はこれまで以上に「効率的」で「精度が高く」、「成果が見える」「継続しやすい」仕組みに進化します。ここでは4つの観点から具体的に見ていきましょう。

効率 :教育の手間とコストを大幅に削減

AI活用によるメリットとしてまず最初に挙げられるのが「効率化」です。

 

教材作成・評価・フィードバックの自動化で担当者の負担が軽減されることはもちろん、運営や進捗管理をAIが支援することで準備時間も短縮されます。そのため、教育担当者の数が少ない場合でも、大規模研修の実施が可能になるでしょう。


AI活用によってリアルタイム対応が可能になり、講師の工数を削減できるのも大きなメリットです。また受講者も、一人ひとりに合わせた最適教材が提案されることで無駄な学習を省き効率的に学べるようになります。

精度 : 個人に合わせた学習を実現

一人ひとりの理解度・スキルに合わせた人材育成研修が可能になることもAI活用の大きなメリットと言えるでしょう。

 

AIで学習データを分析することで個々の理解度・課題を正確に把握できるようになるため、苦手分野の重点的な学習を提案したり、教材や出題内容を受講者レベルに合わせるなど個人に合わせた調節が可能です。

また、生成AIが受講者の質問に即時対応し、誤解をその場で修正することもできます。

可視化 :成果が見えるから改善しやすい

AI活用は成果の「見える化」にも役立ちます。成果が見えることで教育投資のROIを明確化できます。改善ポイントを数値で把握できるため、PDCAも回しやすくなりますね。

また、受講者ごとの学習進捗・理解度の自動ダッシュボード化、学習ログ分析による育成傾向のレポート化などもAIの得意とするところです。AI活用によって定量データとしてまとめることが容易になり、経営層との情報共有も簡単に。組織全体で人材育成に向き合うことが可能になります。

持続力 :「学んで終わり」ではなく日常業務まで定着しやすい

AI活用によって研修後の継続的な学習が可能になることもメリットです。

研修後、AIが自動で復習・確認テストを配信したり、リマインド機能を使ったりして学習習慣を定着させましょう。

通常業務の中でわからないことがあった際にチャットでAIに質問できるようにしておけば、 疑問点をすぐその場で学習することができ、スキルが定着しやすくなります。

また、個人の成長履歴の蓄積にAIを活用すれば長期的なキャリア形成支援にも役立つでしょう。

4.AIを活用する際の課題や注意点

AIで人材育成はこう変わる

導入を成功させるためには、AIのリスクや運用面の注意点も理解しておく必要があります。

データの扱いと情報管理

人材育成研修でAIを活用する際にまず注意したいのが、「正確な学習データを用意すること」「個人情報の取扱い」です。

AIを活用した研修では、学習データの質が成果を左右します。不正確な情報を使うと誤った学びを広げてしまうリスクがあるため注意が必要です。

また、社内情報や個人データの取り扱いには十分注意しなければなりません。生成AIはユーザーとのやり取りを学習し、その結果を他ユーザーへの回答に活用する仕組みとなっています。そのため、社外秘の情報や個人情報を入力すると情報漏洩につながるリスクがあるのです。人材育成研修にAIを活用する場合には、厳重な社内ルールが必要でしょう。

AIの精度と信頼性

AIは非常に便利ですが、常に正しいとは限りません。偏った回答や誤情報を出すことがあり、人のチェックが欠かせないのが事実です。

人材育成研修にAIを活用する場合には、AIの結果を講師や教育担当者がチェックし、必要に応じて修正する必要があります。人の経験とAIの分析を組み合わせることで、より正確で効果的な研修が可能になるでしょう。

AIは使い続けることで進化していくので、新しい研修内容や社内データを定期的に反映させAIの精度を高める必要があります。 

導入後の運用

AIは改良を加えながら使い続けることで「本当に役立つ」ツールになり社内に根付いていきます。

講師や社員の中にはAIに対し「仕事を取られてしまうのでは」と不信感を持っていたり、「使いこなせないかも」と不安を感じている方もいるかもしれません。そんな時にはまず身近な業務から小さく導入し、成功体験を積むのが効果的です。アンケート自動集計や受講履歴分析など、身近で分かりやすい部分から試すのがおすすめ。成果が見えれば、自然と受け入れられていくでしょう。

AIは使うほどに学習して精度が上がります。受講者や講師のフィードバックを取り入れながら使い続けることでAIの分析内容や提案の精度が高まり「本当に使いやすい」ツールになっていくのです。

 

セゾンパーソナルプラスでは、コンサルタントが計画から研修後のフォロー、中長期計画までしっかりサポート。AI活用を取り入れた研修計画もぜひご相談ください。

5.AIを使ってより効果的な研修を実施しよう

今回は、AIを活用した人材育成研修の導入事例、導入の具体例、メリットや注意点をご紹介しました。

AIは「人を置き換える」ものではなく、「人の学びを支える」ツールです。上手に活用すれば人材育成研修の質を高め、社員一人ひとりの成長を後押しできます。

研修前の理解度チェック、講義中のフィードバック、受講後の復習サポートなど、研修前・中・後にAIを組み込み、手間を減らしながら深い学びを得られる研修を計画しましょう。まずはテスト採点や質問対応など部分的な導入から始めることで、すぐに効果を実感できるはずです。

 

AIを活用した効率的・効果的な人材育成研修について、ご相談事などございましたらぜひセゾンパーソナルプラスにお声がけください。貴社の状況に合わせて、一緒に最適な進め方を考えてまいります。

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