2023.12.26
人材マネジメントとは?メリットや実施手順、導入時のポイントを解説!

人材マネジメントとは、企業の人事にとって必要不可欠なマネジメント戦略のことです。企業の競争力が求められ、人材不足が叫ばれるいまだからこそ、人材を有効活用する人材マネジメントが注目を集めています。今回はそんな人材マネジメントについて、メリットや実施手順、導入時のポイントについて解説していきます。
人材マネジメントとは、企業の人事にとって必要不可欠なマネジメント戦略のことです。企業の競争力が求められ、人材不足が叫ばれるいまだからこそ、人材を有効活用する人材マネジメントが注目を集めています。
今回はそんな人材マネジメントについて、メリットや実施手順、導入時のポイントについて解説していきます。
1.人材マネジメントとは
企業の成長の鍵を握るのは、従業員をはじめとした人材です。
人材マネジメントとは、従業員の能力を最大限に発揮させ、組織の目標達成を支援する人事戦略がメインになります。
ここからは人材マネジメントの基礎知識と、注目される背景について解説していきます。
人材マネジメントの定義
人材マネジメントとは、従業員の採用、育成、評価、異動など、企業の人的資源を戦略的に活用することです。
人材マネジメントを行う目的は、従業員の個々の能力とポテンシャルを引き出し、組織の目標達成に貢献することにあります。そのため、個人のキャリア開発と組織の成長の両方を促進することに重点が置かれ、従業員一人ひとりが持つ独自の価値を最大限発揮できるよう取り組むことが重要です。
人材マネジメントが注目されている背景
人材マネジメントへの関心が高まっている背景には、主に二つの要因があります。
一つは、少子高齢化による労働力不足の問題です。日本に限らず、現代では世界中の多くの国で労働人口が減少しており、限られた人材を効果的に活用する必要があります。
もう一つの要因は、働き方に対する考え方の変化です。柔軟な働き方やワークライフバランスの重視が進む中、従業員の満足度と生産性を同時に高める人材マネジメントが求められています。
人事・労務管理との違い
人材マネジメントと人事・労務管理はしばしば混同されがちですが、実は業務範囲に明確な違いがあります。
人事・労務管理は、従業員の採用、給与、福利厚生などの管理に重点を置き、日々の運営を円滑にすることに注力します。
それに対し、人材マネジメントは従業員の能力開発、キャリアパスの設計、動機づけなど、より戦略的な視点から個人の成長と組織の目標達成を支援することが主な業務です。人材マネジメントと労務管理とでは、業務対象が個人なのか、環境なのかという違いがあります。
2.人材マネジメント力向上のメリット

企業が直面する多くの課題に対処し、成長し続けるには、人材マネジメントの力を高めることが重要です。
ここからは人材マネジメント力を向上させることにより得られる組織力の強化、従業員の成長促進、自律的な従業員の育成などのメリットについて解説していきます。
組織力の向上
人材マネジメントの結果によって従業員の仕事へのモチベーションが上がれば、組織全体の生産性や業務効率を向上させることにつながります。
また、従業員の適性に合った人事の配置や個人レベルでの明確な目標設定があれば、チームワークが強化され、しいては組織全体の目標達成にも近づくことになります。
人材の成長
人材マネジメント力の向上は、個々の従業員のスキルアップと成長にも寄与します。
従業員が自身の能力を把握し、人事側は能力を活かすことのできる機会を作ることで、仕事へのモチベーションは上がり、実践的な業務スキルの醸成も期待できるようになります。
仕事での達成感や充実感を感じる機会が増えれば、従業員の企業への帰属意識と職場への満足度が上がり、人材も流出しにくくなります。
自律した従業員の増加
自身のキャリアと業務に対して積極的に取り組む従業員は、組織全体の生産性を高め、時に革新的なアイデアを生み出します。
自律した従業員がリーダーシップを発揮すれば、周囲を刺激し、組織のさらなる成長を牽引することにもなります。
3.人材マネジメントの6つの要素

組織の成功には、効果的な人材マネジメントが必要不可欠です。
ここからは、人材マネジメントのプロセスを構成する以下の6つの重要な要素について解説していきます。それぞれ見ていきましょう。
・獲得
・育成
・評価
・処遇
・配置と異動
・退出
獲得
人材の獲得がなければ、組織に適した人材を引き入れることはできません。
人事の採用は、候補者のスキルや経験、企業のビジョンに共感できる最適な人材を選ぶことが重要です。
育成
効果的に従業員の育成をすることによって、潜在能力を引き出したり、キャリア開発をしたりして、組織にとって必要な人材を育てます。
継続的に教育プログラムを実施することにより、従業員に新しい業務スキルを身につけさせることは、従業員のモチベーションアップにもつながります。
評価
従業員の評価は、個人、組織の両方の成長や成果を把握する重要なプロセスです。
従業員の働きを公正かつ客観的に評価します。
定期的なフィードバックを通じて、個々の従業員の成果と目標達成度への評価を伝え、今後の課題や現状の立ち位置などを示します。
処遇
処遇とは、従業員への報酬や福利厚生などのことです。
従業員への適切な給与、ボーナス、昇進、福利厚生は、仕事へのモチベーションを高めることにも直結します。ただ、不満が生まれれば、逆効果にもなりかねないため、評価基準は明確に公正かつ透明な処遇を心がけましょう。
配置と異動
従業員の人事配置と異動は、個々のスキルに照らし合わせながら、部署やチームの配置を決めることを指します。
人員の適切な配置は、従業員のスキルを最大限に活用し、組織の効率を高め、異動は従業員に新たな視点や経験を積むことにもなり、キャリアデザインの多様性と成長を促します。
退出
最後は退出です。退出は、従業員が組織を退職することを指します。
適切な退出手続きは、退職する従業員と組織の双方にとって重要です。
退職者の経験や知識、業務範囲をチームに伝達し、業務に滞りの出ないようにします。
4.人材マネジメントの手順
ここからは、効果的な人材マネジメントを行うための手順を解説していきます。人材マネジメントは以下の手順で行なっていきます。それぞれ見ていきましょう。
・目標
・課題の明確化
・自社の現状を可視化
・フィードバックの実施
目標・課題の明確化
まずは人材マネジメントを始める前に、組織の目標と直面している課題を明確にして現状を把握します。
企業の長期的ビジョンや短期的な目標、達成すべき具体的な課題も含めて、目標と課題を明確にすることが、人材マネジメントの取り組みが具体的な方向性を持たせ、効果的な戦略立案を可能にするのです。
自社の現状を可視化
次に、自社の人材マネジメントの現状を把握し、課題を可視化します。
改善点を特定し、適切な戦略を策定していきましょう。
ここには従業員のスキルやこれまでの成果、職務満足度などが含まれます。現状を正確に把握することで、企業として今後どの分野に重点を置くべきか、どのような取り組みが必要になるのかが明確になるのです。
フィードバックの実施
最後に、対象者へのフィードバックを実施します。
フィードバックはできる限り定期的・継続的に行うことが望ましいです。
フィードバックを通じて、従業員の成果や課題、キャリア目標、業務に対する意欲などについてコミュニケーションを通じて把握します。フィードバックは双方向のコミュニケーションであるため、従業員からの意見や提案を積極的に受け入れることも忘れてはなりません。
5.人材マネジメントの効果を最大化させるポイント
人材マネジメントの効果を最大化するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここからは、人材マネジメントの効果を最大化させるポイントを4つご紹介していきます。
企業ビジョンとの一貫性のある運用
人材マネジメントの取り組みは、企業のビジョンと戦略に一貫性を持たせることが大切です。
一貫性のある人材マネジメントは、従業員が企業の長期的な目標やビジョンを理解し、業務に取り組むことで従業員のモチベーションを高め、組織全体の目標に向かって効果的に進むための基盤となります。
従業員個人レベルでの目標設定
従業員に対し、個人のキャリア目標や業務目標を明確に設定することで、人材マネジメントの効果を高めることができます。
ただし、個人の目標が組織の目標と連動していることを確認するのを忘れてはなりません。
従業員が自身の成長と組織の成功の両方を目指せるような目標を設定することが大切です。
情報の共有
組織内での情報共有も、人材マネジメントの効果を最大化させるポイントとして重要です。
組織の目標や進捗、課題などを全ての従業員と共有することで、従業員からのフィードバックや提案を受け入れ、組織全体の改善に役立てることが可能になります。
効果が出ない場合
人材マネジメントの効果が中々発揮されなかったり、人手不足によって思うようにリソースを割けなかったりする場合は、eラーニングを活用することがおすすめです。
eラーニングでは、従業員は自分のペースで学べることから、様々なスキルや知識を効率的に習得することができます。eラーニングの活用により、自社内の人材マネジメントに関するノウハウ不足やリソース確保などの問題解決を図れます。
セゾンパーソナルプラスでは、企業の皆さんがご利用可能な人事マネジメントに関するeラーニング教材を多数取り揃えています。ご興味のある方はぜひお問合せください。
6.人材マネジメントはこれからの時代で必須に
今回は人材マネジメントについて、メリットや実施手順、導入時のポイントについて解説しました。人材マネジメントは、労働人口が減少し続ける日本社会にとって、今後より一層必要不可欠な存在になるマネジメント戦略です。この記事でご紹介した人材マネジメントに関する知識を職場で生かしていただければ幸いです。
セゾンパーソナルプラスでは、企業向けの人材マネジメントに関する教材を数多くご用意しています。少しでもご興味のある方は、ぜひお気軽にお問合せください。
7.企業研修プログラム
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