2017.03.29
<第5講目>『もったいないコスト』を控えて新戦略を構築しよう!

みなさん、こんにちは。 「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第5講目を始めます。 今回のテーマは、「『もったいないコスト』を控えて 新戦略を構築しよう!」です。
みなさん、こんにちは。
「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第5講目を始めます。

今回のテーマは、「『もったいないコスト』を控えて 新戦略を構築しよう!」です。
1.色々な「コスト」
「コスト」は、一般的に費用を表す言葉です。
売上などの収益からコストを引いたものが会社の利益になりますので、経営努力としてコストをできるだけ削減しようとするのは当然のことです。
例えば、室内のエアコンや電気をこまめに消したり、商材の仕入れ先を変更したり、残業を減らすことで人件費(残業代)の削減を図るなど、日夜、コストの適正化に取り組まれていることと思います。
しかし、今回は、そのような利益を減らす「費用」としてのコストというよりも、損失を増やしかねない「もったいないコスト」について紹介いたします。
2.「もったいないコスト」とは
「もったいないコスト」のことを、一般的に「サンク・コスト」といいます。
「サンク・コスト」は日本語で「埋没費用」と訳されます。
経済学では、投資したお金のうち、どのようにしても取り返せないもののことを「サンク・コスト」と呼んでいます。
そして、そのまま続けたとしても損失にしかならないのが解っているのにもかかわらず、今まで投資した金銭や時間、努力などが無駄になり”もったいない”ので、やめたくてもやめられない状態に陥ることを「サンク・コスト効果」と呼びます。
有名なエピソードに、超音速旅客機コンコルドの話があります。
今から50年以上前、世界初の超音速旅客機として話題を呼んだコンコルドですが、その開発費や維持費などの問題から次第に人気が落ち、このまま開発を続けても利益回収が望めない状況に陥りました。
このまま開発を続けるよりも、開発を中止して賠償金を払った方がよいという結果が出ていましたが、「開発を中止したら今までかけた労力や費用が全て無駄になり”もったいない”」という心理から、開発がそのまま続行され、その結果、さらなる膨大な赤字を計上してしまったという話です。
そのため「サンク・コスト効果」のことを別名「コンコルド効果」とも呼びます。
3.「サンク・コスト」の呪縛から逃れる
戦略や計画を立てる際にも、同じようなことがないでしょうか。
「今までやってきたことが無駄になってしまいもったいない・・・」
「辞めた方がいいと思うけど、それを言うと責任問題に発展しかねない・・・」
という心理から、ついこれまでの慣習に沿った戦略や計画を立てがちです。
それはある意味、自然なことだとも思います。
しかし、いつまでも「サンク・コスト」の呪縛にとらわれていては、自由な発想の展開や、時代に即した新しい戦略の構築に結びつけることができません。
「誰かがやめると言わないかな・・・」と思いながら流れに任せてしまうのではなく、データや理論をしっかり用意したうえで、無駄な「サンク・コスト」の削減に取りくみたいものです。
研修では、費用をあらわすものの他、人間の心理状態にかかる「コスト」にも着目していただきながら、財務・管理会計や経営戦略について考えていただいています。
それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第5講目を終了いたします。