2018.05.23
vol.6【アウトバウンド業務の極意 ②トークマニュアル編】By堀口 園生

みなさま、こんにちは。「アウトバウンド業務の極意」2回目は、コミュニケーターさんのトークの武器となるマニュアルについて考えましょう。
みなさま、こんにちは。「アウトバウンド業務の極意」2回目は、コミュニケーターさんのトークの武器となるマニュアルについて考えましょう。
1.トークマニュアルって、何を用意していますか?
アウトバウンドセンターの改善支援をさせていただく際、一番先に確認するのが「トークマニュアル」です。トークマニュアルを見れば、そのセンターが成果を出せるかどうかがわかる、と言い切れるほど、トークマニュアルの精度は成果に大きな影響を与えます。しかし残念ながら、意外とトークマニュアルを「戦略」と捉えて準備できているセンターが少ないのが実情です。本来、アウトバウンド業務は、明確な架電目的(架電することで何を得るのか)、成果目標が明確に定められています。コミュニケーターさんがお客様をリードしながら目的達成に向け話を展開することが求められるため、「勝ちパターン」と「障壁を超える準備」を整えておくことが成否のカギを握ります。
2.アウトバウンドにおける「三種の神器」
アウトバウンド業務において、必ず準備しておきたいトークマニュアルが3つあります。
①トークスクリプト
トークスクリプトが存在しない、というセンターはほとんどないでしょう。しかし、実際にコミュニケーターさんが「使える」スクリプトに仕上がっていないケースが多いのも実情です。もし、業務開始時に作ったきり、更新をしていない場合は要注意です。トークスクリプトは、戦略を反映させた「勝ちパターン」の指南書です。お客様との対話をモニタリングし、お客様のよくある反応に対応した表現に微調整をかけることでコミュニケーターさんのトーク品質が担保されます。例えば、名乗りから架電目的を伝えるまでの「オープニングトーク」。お客様から「忙しいからまたにして!」とすぐに切られてしまうコミュニケーターさんと、よく話を聞いてもらえるコミュニケーターさんのトークの差を検証した際に「お時間1・2分だけ宜しいでしょうか」との言い方をしてお客様の不安感を解消できているケースがあります。このような小さな「勝ちパターン」をコミュニケーターさん任せにするのではなく、スクリプトに反映させチーム全体に浸透させることが重要です。
②FAQ(クレーム対応を含む)
業務上のFAQも、単なる商品マニュアルを預けている場合は改善チャンスがありそうです。商品・サービスに関する知識の中でも、お客様から頻繁に質問される項目については「わかりやすい答え方」をトーク化してチーム全体に展開することをお勧めします。お客様はコミュニケーターさんよりもサービス知識はなく、更に電話の特性として耳でしか情報を得られません。シンプルでわかりやすい回答をしなければ不信感を抱かれ、コミュニケーターさんの話を聞こうとの気持ちが削がれ、満足度も低下します。お客様の関心事にスパッとわかりやすく答えることで、有利なトーク展開ができるよう整備しましょう。
➂切り返しトーク集(リバトル集)
獲得系の業務の場合は特に重要になるのが、応酬話法(リバトル)です。スクリプトでトークの本筋を決めていても、途中でお客様からネガティブな発言が出てくることで話が脱線し、話の主導権を握れなくなることは多々あります。その際に、一言の切り返しトークで対応し話を本筋に戻すことが重要ですが、この切り返し方もコミュニケーターさんに「任せっきり」になっているセンターが多いようです。お客様の感情を害さない言い方、納得しやすい言い方をチームで検証し、トーク化してマニュアルに落とし込むことで、拒否につまずき話が展開できないコミュニケーターさんを救うことができます。
3.トークマニュアルは都度更新を!
トークは生もので、顧客属性や市場の変化で効果も変わります。またちょっとした接続しや言い回しで効果を上げることも可能です。一度作ったらおしまい、ではなく、是非定期的にモニタリングし、成果を上げているパフォーマーのトークを標準化することで、チーム全体のトーク品質を底上げしていくことをお勧めします。トークマニュアルはチームとしての戦略を形にしたものです。是非、ご自身のセンターのトークマニュアルが「勝てる」武器となっているかどうか、チェックしてみてくださいね。
4.講師プロフィール

堀口 園生(ほりぐち そのお)講師
明治大学商学部卒業後、大手金融会社にて女性営業部隊に所属し大手地方銀行の新規開拓に従事。
結婚、出産後を経て大手コールセンターにて10年間勤務。アウトバウンドセールスを専門とし、保険・美容品・PC・人材サービスなど有形無形問わずに電話だけでセールス成果を上げることに貢献。マネージャー兼トレーナーとしてセールスチームに特化した教育プログラムを構築し、電話経験ゼロの社員を全国トップの100名規模のセールス集団に育て上げた。
またプロコーチとしての傾聴・フィードバックスキルを活かした社員育成が評価を受けている。
企業でのセールスチームマネジメント経験から、「現場の課題解決」「成果」にこだわった指導を得意とする。現場での再現性を持たせるため、対話と体験学習を多く取り入れ、受講者自らに気づきを起こして当事者意識を持たせる研修運営に特長を持つ。
『受講者主役』をモットーに、ロールプレイングやディスカッションから見える一人ひとりの個性に合わせた個別フィードバックにより現場の行動促進を促している。
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