2018.11.07
vol.59:コールセンター白書2018から見るコールセンターの今! <その1>

この10月にリックテレコム社から、「コールセンター白書2018」が発売されました。昨年もこの白書データの私なりの考察を「さつき先生ブログ」の中でシリーズでお伝えしました。(Vol.31、Vol.32、Vol.33、Vol.34、Vol.35、Vol.36)今年も時代を反映しているトレンド推移・色々な課題に悩んでいるセンター管理者にとって有益な情報が満載ですので、今回からシリーズで独自考察も交えてお伝えしていきます。
この10月にリックテレコム社から、「コールセンター白書2018」が発売されました。昨年もこの白書データの私なりの考察を「さつき先生ブログ」の中でシリーズでお伝えしました。(Vol.31、Vol.32、Vol.33、Vol.34、Vol.35、Vol.36)
今年も時代を反映しているトレンド推移・色々な課題に悩んでいるセンター管理者にとって有益な情報が満載ですので、今回からシリーズで独自考察も交えてお伝えしていきます。
1.コールセンター白書2018から見るコールセンターの今!

初回の今回は非常に興味深いデータを紹介します。上記のグラフをご覧ください。
これは、5年前の2013年と今年2018年の「コールセンター運営上の課題は何か!」というデータを比べてみたものです。そして、この5年間で特に大きな変化を占めている3つの項目に着目して紹介します。まず、「オペレーターの採用・育成」に対する課題認識は、5年前の23.6%から今年は57.3%と実に2倍以上になってます。同じように、「スーパーバイザーの採用・育成」についても、5年前の32%から、今年は55.2%と、やはり課題認識が2倍近くになっています。また、「オペレーターの定着率向上」についても、5年前の17.8%から、今年は37.1%と、やはり2倍以上の課題認識になっています。いずれも、昨今の多くのコールセンター管理者の悩みの種になっている「採用難」・「離職の悪化」を反映している結果だと思います。長年に渡り、トップに君臨していた「品目向上」を追いやり、「オペレーター・SV」の採用難・育成難がワン・ツー状態になっています。そして、今課題認識を持っている採用難・離職悪化のトレンドについては、一時期の問題では無く、今後も改善の目途が立たない根深い問題だということです。(別の機会にCCを取り巻く環境変化について紹介しますが、少子高齢化による労働人口減少・コールセンターの不人気職種が定着・AIに代表される自動化との共存・業務内容の高度化などCCを取り巻く環境は激変してます)私も5年前まではインハウス・コールセンターの統轄マネジメントをしていましたが、大阪と札幌での採用には苦戦しながらも、必要とする人員はなんとか確保する事はできていました。しかし、この5年の間に日本全国のコールセンターを数々訪問してきましたが、東京都心以外の、札幌も福岡も沖縄も四国も山陰にあるコールセンター・ほぼ全てが採用難・離職悪化に苦しんでいる光景を見ています。中には、地方センターではもう集客できないと撤退・首都圏回帰をしている事例も増えてきています。コールセンター白書を発刊している、リックテレコム社の方にも、色々な方から、「採用難に苦しまない場所はどこでしょうか?」という質問が来るそうですが、答えは「日本にそんな場所はどこにもありません!」という返答をしているそうです。そうなると、今後改善の目途が立たない「採用難」について、コールセンター管理者が真剣に考えなくてはいけないのは、「採用が厳しいなら・辞めないコールセンターにしよう!」ということだとおもいます。次回は、この“辞めないコールセンター”にするために、各社はどんな取り組みをしているのかをコールセンター白書2018のデータから考察したいと思います。
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