HOME 人材育成コラム <第11講目>『フレーム』を少し変えて、新しい第一歩を踏み出そう!

<第11講目>『フレーム』を少し変えて、新しい第一歩を踏み出そう!

みなさん、こんにちは。「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第11講目を始めます。

<第11講目>『フレーム』を少し変えて、新しい第一歩を踏み出そう!

今回のテーマは、「『フレーム』を少し変えて、 新しい第一歩を踏み出そう!」です。

1.『フレーム』とは

「フレーム」は一般的に「眼鏡の枠」や「額縁」などのことをさします。

みなさまは、大切な写真や絵画、あるいはいただいた賞状などをお部屋に飾ろうとするときには額縁を用意し、
その中に写真などを入れて飾っていらっしゃると思います。
それは、(表現は悪いですが)額縁に捉えられ、縛られているような状態ともいえます。

一方で、私たちもまた、あるフレームに捉えられ、縛られているといわれています。
それが「ものの見方」というフレームです。

今回は、「ものの見方」というフレームの正体とそのフレームを部分的に変えて、ポジティブなイメージを作る方法についてご紹介したいと思います。

2.「ものの見方」を変える

さて、「ものの見方」とは何でしょうか。

「ものの見方」とは、過去の経験に由来する「先入観」や「思い込み」のことです。

これらの「先入観」や「思い込み」は、繰り返しの作業を数多くこなす際など、これまでの経験を活かせる場面ではプラスに転じることもありますが、一方で新しいものの考え方や行動を縛るなど、マイナスに作用することもあります。

例えば、何か新しい仕事を上司から頼まれたとき、
「もし失敗したら怒られそうだからいやだな」
「前も上手くいかなかったから、今回もおそらくだめだろうな」
「自分には荷が重いな」

という「ものの見方」をしてしまうと、そのことに縛られ、仕事に身が入らなかったり、これまでと同じ仕事のやり方を踏襲するのみで終わってしまったりしがちです。

しかし、そういう時に
「成功させてほめられよう」
「前の失敗経験を活かしてもう一度チャレンジしよう」
「自分の力を見込んで上司が頼んでくれたのだから頑張ろう」

のように「ものの見方」を変えることで、新しい思考や行動の第一歩を踏み出しやすくなります。

このようにネガティブになりがちな「ものの見方」というフレームを変え、ポジティブなイメージを作る方法のことを「リフレーミング(技法)」といいます。

3.ABC理論

似た考え方として有名なのが、アメリカの臨床心理学者アルバート・エリスが提唱した「ABC理論」です。

A(acting event)は「できごと」、B(belief)「受け取り方や思い込み」、C(consequence)は「それによって引き起こされる感情」のことをさします。

同じできごと(A)が起こっても、B(受け取り方や思い込み)によって、それによって引き起こされる感情(C)は変わるということです。

「ネガティブなB」を「ポジティブなB」に変えることで、ポジティブな感情が引き起こり、新しい行動の第一歩を踏み出しやすくなります。

4.どのようなフレームを持っているかを知る

ここで注意したいのは、「フレームを完全に変えるのは簡単なことではない」ということです。

写真に合うフレームを新しく調達することには手間がかかるように、根付いている「ものの見方」というフレームを新しくすることには、相当の労力を要します。

「フレームを完全に変えよう」「全てをポジティブに捉えよう」という考えもフレームと言えます。

しかし、人が持つフレームは、額縁のように固くてそれ以上形を変えられないものではありません。

部分的に変更することも、元に戻すことも可能です。

フレームを全て変えてしまうことにとらわれず、自身のフレームの中で変えるべき箇所を見つけ、その部分を少しだけ変えていく方が早くて楽ですし、その分、行動の第一歩をよりスピーディに踏み出しやすくなるでしょう。

研修では、例えば初めて営業部門に配属された方などに対し、リフレーミングの説明をしたうえで、営業に対するネガティブなイメージをポジティブに変えるトレーニングを行っていただいています。

⇒営業研修プログラムの一覧はこちらです。

それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第11講目を終了いたします。