2017.06.17
<第12講目>『ディベート』で、さまざまなスキルの強化を図ろう!

みなさん、こんにちは。「3分くらいでわかる! 研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第12講目を始めます。 今回のテーマは、「『ディベート』で、さまざまなスキルの強化を図ろう!」です。
みなさん、こんにちは。「3分くらいでわかる!
研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第12講目を始めます。

今回のテーマは、「『ディベート』で、さまざまなスキルの強化を図ろう!」です。
1.「ディベート」とは?
みなさまは、「ディベート」という言葉を聴いて、どのような様子を思い浮かべますか?
ワイドショーで芸能人の方々が社会問題をテーマに議論を戦わせる様子や、日本の党首討論やアメリカの大統領選でのテレビ討論会、学生時代の弁論大会、裁判で検事と弁護士がお互いの主張をしている様子などが思い浮かんだ方が多いのではないでしょうか。
「ディベート」は、「ディスカッション」や「議論」という言葉と混同して使われがちですが、一般的には「討論」と訳され、「ディスカッション(議論)」とは区別されます。
(「ディベート(debate)」を最初に「討論」と訳したのは、慶應義塾の創設者である福沢諭吉と言われています。)
共通のテーマについて話し合うという意味では、「ディベート」も「ディスカッション」も同じです。
しかし、「ディスカッション」は「意見交換により、参加者の合意のもとに最適解を生み出す」ものであるのに対し、「ディベート」は、「意見を主張し合い、それを聴いていた第三者がどちらが優れていたかジャッジを下す」もので、両者はその性質を異にするものといえます。
前出の例では、裁判官がお互いの主張を聴いてジャッジを下す「裁判」が最も「ディベート」に近いといえます。
また、国民がその様子を見て投票先を決めるという意味では「党首討論やテレビ討論会」も「ディベート」に当たるといえるでしょう。
いずれにしろ、「ディベート」についてのイメージはお持ちであるものの、普段の生活やお仕事で「ディベート」を行う場面はそう多くないのではないでしょうか。
そこで今回は、あえて「ディベート」を実施することで得ることができるメリットについてご紹介したいと思います。
2.「ディベート」の進め方
まず、「ディベート」の進め方についてみていきましょう。
「ディベート」は厳密なルールを決めて実施されるものや、1対1で実施するものもありますが、ここでは研修などで用いている、比較的簡易なグループディベートワークについて説明いたします。
「ディベート」は以下のように定義することができます。
「設定されたテーマの是非について、自分の意志に関わらず肯定側・否定側に分かれ、 討論を行うこと」
ルールに基づいて「肯定側」「否定側」が討論を行い、「オーディエンス」がその様子を見てどちらが優れていたかをジャッジします。はじめに参加者を最低3つ以上のグループに分けます。
例えば12名の参加者がいる場合は、それぞれ4名ずつのグループを作ります。
「ディベート」では、以下のようなテーマが設定されます。
・日本の首都は東京ではなく京都にすべきだ
・若者と高齢者なら、高齢者に多くサービスすべきだ
・職場の忘年会の出席は任意ではなく義務とすべきだ
ここでグループを「肯定側」「否定側」「オーディエンス」にわけます。
「肯定側」「否定側」はその主張の根拠の洗い出しや主張の組み立てなどの準備を行い、時間が来たら討論を開始します。
「肯定側」「否定側」双方を公平な立場にし、かつメンバー全員が発言できるよう、持ち時間や発言回数を公平に割り振ります。
時間が20分であれば、「肯定側」「否定側」それぞれ持ち時間10分、発言回数は4回ずつ、メンバーが4人なら1回あたり2.5分/名の持ち時間のイメージです。
終了後に「オーディエンス」がどちらの主張が優れていたかをジャッジします。
役割を変えて時間の許す限り繰り返します。
以上が、研修で行うグループディベートワークの流れです。
3.「ディベート」のメリットとは
「ディベート」を行うことのメリットは以下の通りです。
・準備をする過程で、思考力や分析力の向上を図ることができる
・意見の発表の場があることで、発信力の向上を図ることができる
・他の参加者や講師からのフィードバックにより、自分たちの考えたものを客観的に見直しを図り、より深い考えを持つことができるようになる
・論理的な議論のトレーニングになる
・対立する意見の立場に立つ意義がわかる
・チームワークが育まれる研修で行う
「ディベート」の最終的な目的は、勝敗や優劣をつけることではありません。
「ディベート」の事前準備から終了後の振り返りまでの過程を通じて、
参加者のみなさまのスキルアップにつなげていくことです。
研修では、論理的思考のトレーニングの一環として「ディベート」を取り入れることで、参加者のみなさまの様々なスキルの強化につなげていただいています。
それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第12講目を終了いたします。