HOME 人材育成コラム <第19講目>相手を大事に、自分も大事に「主張」しよう!

<第19講目>相手を大事に、自分も大事に「主張」しよう!

みなさん、こんにちは。「3分くらいでわかる!

研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第19講目を始めます。

<第19講目>相手を大事に、自分も大事に「主張」しよう!

今回のテーマは、「相手を大事に、自分も大事に『主張』しよう!」です。

1.「アサーション」とは

「アサーション」という言葉が最近よく聞かれるようになりました。

みなさまの中にも「アサーション」に関する書籍を読んだり、研修やセミナーを受けたりされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ところでこの「アサーション」とは、いったいどういうものなのでしょうか。

「アサーション」は1950年代、公民権運動が盛んに行われていたアメリカで、心理療法の一環として開発されたものです。

「人は誰しも、主張を自由に表明しうる権利を有している」
という人権尊重の考え方がその基礎にあるとされています。
アサーション(assertion)の日本語訳も「主張」です。

しかし、当時のアメリカと違い、人権尊重がいわば「当たり前」である現代は、ただ言いたいことを「主張」することだけが許されるわけではありません。
自分の言いたいことを自由に「主張」した結果、他人の心に傷をつけ、場合によってはその人権を犯してしまいかねない場合があるからです。

「相手の立場を十分に尊重しながら、自分の感情や意見をその場にあった表現方法で素直に伝えること」が現代における「アサーション」の正しい理解といえるでしょう。

私たちは、この「アサーション」の考え方に基づく「アサーティブコミュニケーション」のトレーニングをさまざまな研修で取り入れています。

今回は、その「アサーティブコミュニケーション」について、もう少し見ていくことにします。

2.アサーティブコミュ二ケ―ション

「アサーション 技法」で検索すると色々な定義が出てきます。

・自分の言いたいことを主張する方法
・断りにくいことを断る方法
・言いにくいことを上手く伝える技法
・人間関係を良好に保つ方法

などです。

これらはどれも間違いではありませんが、私たちは、「アサーションを使って話し相手から納得(YES)を引き出す手法」のことを
「アサーティブコミュニケーション」として研修でお伝えし、トレーニングを行っていただいています。

3.DESC法

有名なアサーティブコミュニケーションの技法が「DESC法」です。

Describe(事実の描写)
Express (自分の気持ちを伝える)
Specify(提案をする)
Choose(代替案を提示する)

の頭文字を取って「DESC法」とされている技法で、D⇒E⇒S⇒Cの流れで話すことで、自分の要望を相手に伝えやすく、そして相手に伝わりやすくするものとされてます。

例えば、「急に必要になった報告書作成をAさんに一緒に手伝ってもらいたいとき」を例にすると、

D:「急に報告書作成が必要になっちゃって」:事実の描写
E:「Aさんに手伝ってもらいたいことがあるんだ」:自分の気持ち
S:「本当に申し訳ないんだけど、今からデータの確認作業をしてもらえないかな?」:提案
C:「もし時間がないようなら、この部分の読み合わせだけでも一緒にできないかな?」:代替案

のようになります。

4.アサーティブコミュニケーションを行う上での注意点

ここで注意しなければならないのは、いくらDESC法のような話法を使っても、自分の「主張」が明確でなければ、結局他人には伝わらないということです。
他人に伝わらなければ、その納得(YES)を引き出すことも難しいでしょう。

客観的な事実、自分の気持ち、そのことに対する提案と代替案。
これらの「主張」を自身で、時には瞬時に明確化することが大事です。

研修では、交渉の場や日々の業務などで「アサーション」の技法やそれを活用するための「主張」の明確化トレーニングを行っていただいています。

それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第19講目を終了いたします。