HOME 人材育成コラム <第23講目>『クッション』を挟んで、気の利いた会話にしよう!

<第23講目>『クッション』を挟んで、気の利いた会話にしよう!

みなさん、こんにちは。「3分くらいでわかる!

研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第23講目を始めます。

<第23講目>『クッション』を挟んで、気の利いた会話にしよう!

今回のテーマは、「『クッション』を挟んで、 気の利いた会話にしよう!」です。

1.「ありがとう」はクッション言葉?

「クッション言葉」という言葉を聞いて、みなさまはどのような台詞を思い浮かべますでしょうか。

「クッション言葉」はその名の通り、会話の中でクッションの役割を果たす言葉のことです。

電話応対の業務をされたご経験のある方にとっては、よくご存知の言葉かもしれませんが、そうでない方にとっては、それほど馴染みのある言葉ではないのではないかもしれません。

「ありがとうございます」のようなお礼の言葉や「申し訳ございません」のようなお詫びの言葉を「クッション言葉」だと認識している方が多いように感じます。

このような謝辞表現も会話のクッション的な役割を果たす場合があるため、
完全に間違いとは言い切ることはできませんが、正確には微妙に意味や目的が異なります。

そこで今回は、「クッション言葉」の効能や、さまざまな会話での使い方について、詳しく見ていきたいと思います。

2.「クッション言葉」とは

「クッション言葉」は、その効能から、「会話の潤滑油」「マジック・フレーズ」とも言われています。

用件の前に「恐れ入りますが~」のようなクッション言葉を加えることで、話し相手(聴き手)が受ける衝撃を和らげることからその名前がついています。

直接的に伝えるのが難しい用件の前に添えることで、話し相手(聴き手)に対して配慮を示す言葉です。

具体的には、

「恐れ入りますが~」
「申し訳ございませんが~」
「お手数ですが~」
「失礼ですが~」
「せっかくですが~」

といった言葉が、「クッション言葉」に当たります。

また、クッション言葉を使う時には、用件の後の文末を依頼形の文章にして使うことが多くあります。
依頼形とは、「~ますでしょうか」のような、疑問形に近い表現です。

例えば、「失礼ですが(クッション言葉)、~について教えて(用件)いただけますでしょうか(依頼形)」のようになります。

「クッション言葉」を使うとよい場面として、代表的なものが以下の3つです。

1.質問・確認  :少し聴きにくいことを聴かなければいけないとき など
2.否定(お断り):不都合なことを伝えなければならないとき など
3.依頼     :何かをお願いしたいとき など

「クッション言葉」を用件の前に添えないと、話し相手(聴き手)に心の準備をさせることができないため、唐突で冷たく、ぶっきらぼうな印象を与えてしまいます。

「クッション言葉」がない場合の依頼:「~をお願いします」

「クッション言葉」がある場合の依頼:「お手数ですが、~をお願いできますでしょうか」

さらに、状況に応じて「お忙しい中~」「お急ぎのところ~」「たいへん~」などを付け加えると、より丁寧で印象のよい伝え方になります。

「お忙しい中たいへんお手数ですが、~をお願いできますでしょうか」日々の会話で使うことはあまり多くないかもしれませんが、お客様との応対や目上の方に依頼などをする場面では、ぜひ積極的に活用したいものです。

使っていない時よりもずっと、「気の利いた」会話になるはずです。

3.「クッション言葉」マスターに向けて

クッション言葉を上手く会話の中に取り入れるポイントは、「具体的な台詞として、何度も口に出して練習する」ということです。

英熟語を覚えようとするときに、

「look up to A(目上の人)⇒A(目上の人)を尊敬する」

という風に覚えて練習するよりも、

「look up to the company president⇒社長を尊敬する」

と具体的な文章にして練習した方が、体得効果が高く、実践でも使いやすくなると言われています。

それと同じように、「クッション言葉」も

「”恐れ入りますが、(質問)~でしょうか(依頼形)”」

のように覚えるより、

「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」

のように、具体的な言葉として何度も口に出しながら練習する方が、身につきやすくなります。

言葉は使わなければ身につきません。

電話だけでなく、対面接客やメールを送る時、上司の方にお願いをするときなど、様々な場面で使える表現ですので、どんどん使ってマスターしていきたいものです。

研修では、電話応対や対面接客の場面を想定したロールプレイングを行うことで、具体的な台詞として「クッション言葉」の習得を図っていただいています。

それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第23講目を終了いたします。