2026.08.20
次世代幹部に必要な経営スキルとは?研修を活用した育成のポイントもご紹介!
VUCAの時代と呼ばれる現代では、生成AIの発達や地政学リスク(国家間の対立や国内制度の変更によって経済活動へ損失が起こること)の高まりなどにより、経営の前提条件が短期間で大きく塗り替えられる可能性があります。こうした激変する環境の中でも持続的に企業が成長をするカギとなるのが、次世代幹部の育成です。「幹部を育成したいが何から始めればよいかわからず、うまくいかない」「次世代幹部の育成を始めたものの、経営を任せられるまでにはならず、失敗してしまった」という課題感は、多くの企業が抱えているのではないでしょうか。経営幹部の高齢化や退職によるポストの空白など、次世代幹部の不足による影響が既に現れている企業も少なくありません。この記事では、次世代幹部の育成を検討している人材育成担当者に向けて、次世代幹部と管理職の違いや、必要とされる経営スキルの全体像、そして研修を活用した育成のポイントをご紹介します。
VUCAの時代と呼ばれる現代では、生成AIの発達や地政学リスク(国家間の対立や国内制度の変更によって経済活動へ損失が起こること)の高まりなどにより、経営の前提条件が短期間で大きく塗り替えられる可能性があります。こうした激変する環境の中でも持続的に企業が成長をするカギとなるのが、次世代幹部の育成です。
「幹部を育成したいが何から始めればよいかわからず、うまくいかない」「次世代幹部の育成を始めたものの、経営を任せられるまでにはならず、失敗してしまった」という課題感は、多くの企業が抱えているのではないでしょうか。経営幹部の高齢化や退職によるポストの空白など、次世代幹部の不足による影響が既に現れている企業も少なくありません。
この記事では、次世代幹部の育成を検討している人材育成担当者に向けて、次世代幹部と管理職の違いや、必要とされる経営スキルの全体像、そして研修を活用した育成のポイントをご紹介します。
1. 次世代幹部とは何か
よくある疑問が、次世代幹部と管理職の違いです。ここでは求められる役割の違いを解説します。
定義
次世代幹部とは、「会社全体の業績と方向性に責任を持つ立場を将来担う人材」のことです。将来的に取締役・執行役員・事業部長など経営の中枢を担うことを期待されます。
管理職との違い
管理職(課長・部長など)の役割は、自部署の目標を達成するために、メンバーを指導・育成することです。一方、次世代幹部に求められるのは、部門を超えた全社最適の視点から意思決定し、経営戦略の立案・推進を担う「経営者視点」です。
現場改善や数字管理ができる、プレイングマネージャーとして優秀な管理職であっても、全社を見渡す視点や長期的な未来を見据えた上で意思決定する視点がなければ、いわゆる「管理職止まり」となり次世代幹部とは言えません。
後述する次世代幹部に必要な経営スキルを身に着けているかどうかが、「優秀な管理職」と「経営人材」を分けるポイントです。
2. 次世代幹部に必要な経営スキル
ここからは「経営者視点」を持つために、次世代幹部に求められるスキルの全体像を見ていきましょう。
① 経営理念・ビジョンへの深い理解と中長期な視野
自社の経営理念・ビジョンを「言葉として知っている」レベルを超え、事業判断の拠り所として活用できる能力です。経営幹部としての発言や行動が組織文化に与える影響を自覚し、理念の体現者として振る舞うことが求められます。短期的な業績目標だけでなく、3〜10年スパンで市場環境・競合・自社のポジションを俯瞰し、意思決定できる中長期的な視野も必要です。
② 経営戦略の立案・実行力
SWOT分析・3C分析・PEST分析などのフレームワークを使いこなし、ビジネスを取り巻く環境変化を構造的に把握できる能力です。戦略を「立案して終わり」にせず、実行計画への落とし込みと進捗管理まで一貫して推進できる力が必要です。
自部門の最適化ではなく、全社の経営資源の配分を考慮した判断ができるかが、次世代幹部と管理職との決定的な分かれ目となります。
③ 財務・会計リテラシー
PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)・CF(キャッシュフロー計算書)の三表を読み解き、自社の財務状況を正確に把握できる能力です。他に、投資判断・事業評価・予算配分において、ROI(投下資本利益率)・ROE(自己資本利益率)・EVA(経済的付加価値)などの指標を用いた定量的な意思決定ができる能力も含まれます。
財務数値を「報告のための数字」ではなく「経営判断の道具」として使いこなす感覚を持つことが重要です。
④ マーケティング・市場分析力
顧客ニーズの変化・競合の動向・市場のトレンドを継続的にモニタリングし、事業機会とリスクを早期に察知できる能力です。自社サービスや製品の市場ポジションを客観的に評価し、差別化戦略や新規事業の方向性を提示できる力が求められます。
⑤ 組織マネジメント・人材育成力
組織を構成する多様なメンバーの強みを引き出し、組織全体のパフォーマンスを最大化するマネジメントスキルです。次の世代の管理職・幹部候補を意識的に育てる「育成者としての視点」を持ち、組織の持続的な成長を担うことが求められます。
⑥ リスクマネジメント・意思決定力
経営判断には常にリスクが伴います。そのため、法的リスク・財務リスク・レピュテーションリスク(企業のブランド価値が毀損されるリスク)など多面的なリスクを想定し、事前に対策を講じる能力です。さらに、情報が不完全な状況でも合理的な根拠をもとに迅速に意思決定できる力や、データやテクノロジーを意思決定に上手く利用する力も求められます。
リスクマネジメントと意思決定力はいわば「守り」と「攻め」の表裏のスキルと言えます。
⑦ リーダーシップ・コミュニケーション力
社内の多様な部門・世代・価値観を持つメンバーを束ね、共通のビジョンに向けて動かすリーダーシップは次世代幹部に不可欠な能力です。株主・取引先・行政・メディアなど多様なステークホルダーに対して、自社の戦略や価値を説得力をもって伝えられるコミュニケーション力も必要です。
3. 次世代幹部の早期育成が求められる背景
VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性が高まり、将来の予測が困難な時代)の経営環境下では「幹部に就任してから育てる」という姿勢では、ビジネス環境の急速な変化に追いつけません。役職に就く前から経営リテラシーを身につけさせる早期育成が、次の世代での企業の競争力維持に直結します。
また、少子高齢化と人材の流動化により幹部人材の確保が難しくなっているという現状もあります。早期に幹部候補として育成機会を提供することは、「期待されている」という心理を生み、優秀な人材のエンゲージメント向上や定着にもつながります。
さらに、上場企業を中心に人的資本情報の開示が進むなか、その1つである「人材育成の方針」は投資家や株主からも注目されるテーマでもあります。そのため、積極的に育成に取り組むことは、自社の市場価値の向上にも有効です。
4. 研修を活用した次世代幹部育成のポイント
次世代幹部の育成は日常業務の中だけで完結させることが難しく、体系的な研修を通じて意図的に経営スキルを鍛える機会を設けることが効果的です。ただし、研修の効果は設計・運営の質によって大きく左右されます。ここでは、研修の効果を最大化するために押さえておきたい6つのポイントを解説します。
① 育成目標・求める人物像を明確にする
まずは、自社の経営戦略と連動した「なぜこの人材を育てるのか」という目的を言語化することが必要です。求められるスキルの要件だけではなく、マインドセットやコンピテンシーの観点で人物像を定義することが重要です。
ここで目的が曖昧なまま研修を始めてしまうと、プログラムの一貫性が失われ、効果測定もできなくなる恐れがあります。
② 知識のインプットと実践的な演習を組み合わせる
講義型の座学だけで行動変容を起こすことはなかなか難しいものです。実践的な演習を組み合わせることで、知識を「現場で使える力」として定着させることが重要です。例えば、実際の事例を用いたケーススタディや経営陣への提言発表を演習として行うことで、身に着けた知識を「自分ごと化」し、現場で応用する能力を育むことができます。
③ 研修形式を目的に応じて使い分ける
集合研修・eラーニング・外部研修はそれぞれ役割が異なるため、目的に応じた組み合わせを設計る必要があります。
例えば、複数人で実施する集合研修は、ディスカッションや意思決定力の養成に向いています。個々人のペースで学習しやすいeラーニングは、汎用的な経営知識の習得におすすめです。プロの知見が活かせる外部研修は、最新の知識やフレームワークの習得、客観的なフィードバックの獲得が可能です。
④ 経営トップを研修に巻き込む
経営陣が自らの言葉で次世代幹部へ期待を伝える場を設けることが、受講者の当事者意識を高めるには効果的です。例えば、研修の開講式・中間報告会・最終発表会へ経営トップが参加することで、研修を「単なる人事の施策」ではなく「経営層の本気」として受講者に伝えることができます。
⑤ コーチング・メンタリングで個別の成長を支援する
集合研修では拾いきれない個々人の課題や、幹部になるための視座の引き上げには、1on1コーチングや先輩幹部によるメンタリングが有効です。特に自己認識の壁(自分の強み・弱みへの無自覚)、認知のゆがみ(無意識にしてしまう偏った考え方)、孤独感(選抜によるプレッシャー)に対しては個別の支援が不可欠です。
⑥ 研修の効果を測定し、継続的に改善する
研修終了後には、カークパトリックモデル(※)などの評価フレームを用いて、研修の効果を定量・定性の両面で把握することが重要です。受講者の行動変容が現場で起きているかを上司へのヒアリングや業績指標で検証し、必要に応じてプログラムを見直す体制を整えることで、継続的に改善できる仕組みを作ります。
セゾンパーソナルプラスの研修では、研修実施後のフォローも個別にご相談可能なため、研修をして終わりではなくその後の効果までしっかりと責任を持ちます。
(※カークパトリックモデル:アメリカの経営学者ドナルド・カークパトリックによって提唱された、研修や教育の効果を「反応・学習・行動・結果」の4段階で評価するフレームワーク。単に研修の満足度を測るだけでなく、学習成果、行動変容、組織への影響まで包括的に評価できる)
5. 次世代幹部の経営スキルを育てるには実践的な研修が効果的
次世代幹部に必要な経営スキルは、中長期的な視点や会計リテラシー、市場分析、組織マネジメント、コミュニケーション力など多岐にわたります。こうしたスキルを座学のみで身に着けることは難しいため、実際のケーススタディや経営陣への提言発表などの実践的な内容を含んだ研修が効果的です。また、幹部候補の育成は長期にわたる施策のため、研修後も、個別のコーチングや上司へのヒアリングによって研修効果を測定し、継続的に受講者の成長を支援する姿勢も欠かせません。
セゾンパーソナルプラスでは、お客様の実際のデータを活用した経営分析ワークを取り入れた実践的な研修プログラムを提供しています。また、育成目標の設定から研修の設計・実施、さらに研修後のフォローアップまで、お客様の状況に合わせた一貫した支援が可能です。次世代幹部の育成をお考えのご担当者の皆様は、まずはお気軽にご相談ください。
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