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リスキリング研修とは?企業が今すぐ導入すべき理由と成功のポイント

多くの人事担当者が今、直面している課題が「時代の変化に社員のスキルが追いつかない」という危機感です。DX化の進展やAIの台頭により事業の移り変わりが激しくなる時代に「リスキリング研修」が注目を集めています。
しかし、「言葉は知っているが、具体的な導入イメージが湧かない」「既存の研修と何が違うのか」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。リスキリング研修を成功させるには、単なる学び直しを超えた、戦略的な設計が不可欠です。
本記事では、リスキリングの定義から、取り組まないことで生じるリスク、成果を出すための具体的な設計ポイントまで、人事担当者が知っておくべき情報を解説します。

1. リスキリング研修とは何か:単なる「学び直し」との違い

リスキリング研修について正しく理解するには、まず「リスキリングとは何か」を押さえる必要があります。

「リスキリング」の定義

経済産業省によると、リスキリングとは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」とされています 。
従来の研修や「学び直し」が個人の教養や汎用的なスキルアップを目的とすることが多かったのに対し、リスキリングは「職業で価値を発揮するために必要なスキルを学ぶ」ことに重点が置かれています 。

リスキリング研修とは何か?

リスキリング研修は単なる知識の習得ではなく、実践で活かせる学びを得ることを目的とした研修と言えます。リスキリング研修で目指す姿の具体例として、以下のようなものが挙げられます。

 

【営業職】

長年の「勘と経験」に頼った営業から、顧客データを活用したデータドリブン(客観的なデータに基づき意思決定を行うアプローチ)な提案設計ができるようにする。

 

【管理部門】

手作業で行っていた定型業務を、ノーコードツール(プログラミングの知識がなくてもアプリやウェブサイトを制作できるツール)を使って自ら自動化・効率化できるようにする。

 

【管理職】

DX・AIの理解を持ち、データに基づいた意思決定ができるようになる。また、部下の学習や挑戦を支援する変化対応型のマネジメントが可能になる。

 

このように、従来の業務スキルに新たな武器を加え、変化する環境で成果を出せる人材を育てる仕組みがリスキリング研修なのです。

2. なぜ今、企業にリスキリング研修が必要なのか

「今のままでも業務は回っているのに、なぜ新たな費用や時間を投じてまで研修が必要なのか」という疑問を持つ経営層もいるかもしれません。しかし、リスキリング研修はもはや「余裕があればやるもの」ではなく、企業の生存戦略そのものとなっています。

AIにより、就労環境が劇的に変化

最大の要因はAIの急速な発達です。現代はAIによって既存の業務が次々に置き換えられ、今ある仕事が数年後も同じ形で存在するか分からない不透明な時代です。このような状況下では雇用者も同じ業務を続けるだけでなく、環境に合わせて柔軟に業務内容を変更していく必要があります 。

世界的なリスキリングの潮流

世界的にもリスキリングの潮流は高まっています。2020年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では第4次産業革命の変化に対応した新たなスキルを獲得するため、「2030年までに全世界で10億人のリスキリングを支援する」という宣言がなされました。
日本政府もこの状況を重く見ており、2022年10月の臨時国会では、個人のリスキリング支援に今後5年間で1兆円を投じると発表しました。厚生労働省が従業員のスキルアップに使える助成金を用意するなど国を挙げての取り組みが進められており、企業にも相応の取り組みが求められています。

人的資本経営の流れにより、人材育成への投資が企業評価に直結

こうした流れを受け、近年では従業員の成長を「人的資本」として投資状況を開示する「人的資本経営」が加速しています。日本でも企業に人的資本情報開示を求める動きが高まっており、人材育成への投資が企業評価の指標の1つになっています。リスキリング研修は社員のスキルアップにとどまらず、企業の信頼性やブランド価値を高める経営戦略であると言えます。

3. リスキリング研修に取り組まないことで生じるリスク

ファシリテーションとは何か

もし企業がリスキリング研修を軽視し、現状維持を選択した場合、どのような事態が待ち受けているのでしょうか。そこには、深刻な4つのリスクが潜んでいます。

生産性・競争力の低下

新しい業務ツールやシステムを導入しても、社員にそれを使いこなすスキルやリテラシーがなければ宝の持ち腐れとなり、属人化やブラックボックス化が進んで組織全体の生産性が低下します。さらに、デジタル化やAI活用が前提となりつつある現在の市場では、従来のスキルセットのままでは新規事業の立ち上げや既存業務の改革が遅れます。その結果、企業の競争力が低下するリスクがあります。

優秀な人材の流出・採用難

現代のビジネスパーソンは「自身の市場価値」に非常に敏感です。 成長の機会を感じられない企業に対しては、「将来の市場価値が下がる」という不安を抱くようになります 。 その結果、学習意欲の高い優秀な人材ほど先に離職してしまいます。また、採用市場でも「人材育成に投資しない会社」と見なされ、人が採れない・定着しないという負のスパイラルに陥る危険性があります。

人件費・教育コストの増大

リスキリングを行わないと、必要なスキルを持つ人材を自社でまかなえず、外部人材の採用や外注に頼らざるを得なくなります。しかし、高度なスキルを持つ人材の採用・外注コストは年々上昇している他、自社の業務を覚えてもらうまでの教育コストもかかります。社員のスキルアップに継続的に投資しないことが、結果として人件費・教育コストの増大という皮肉な結果を招くリスクがあります。

マネジメント層の機能不全

管理職のアップデートが止まることも深刻なリスクです。管理職自身が新しいスキルや考え方を学んでいないと評価・育成の手法が過去のままで止まり、せっかく部下が新しいスキルを身に着けても適切に対応できません。「現場の創意工夫を評価に反映できない管理職」が増えるとイノベーションはストップしてしまい、変化を拒む組織文化が固定化してしまいます。

4. リスキリング研修で育成すべき代表的なスキル領域

上記のようなリスクを回避するため、リスキリング研修を実施したいと考えたとき、まずはどんなスキルを育成するかを考えることが必要です。職種別・階層別に、代表的なスキル領域を整理します。

職種別に育てたい重点スキル

リスキリングの本質は、業務・職務の変化に対応するための、スキルの再獲得にあります。営業は「予測」、企画は「分析」、管理は「自動化」を軸に据えることで、リスキリングの効果が最大化されます。

【営業職】
営業職においては、勘や根性に頼らない「セールステック(ITを駆使した営業手法)」の習得が不可欠です。CRM(顧客関係管理システム)に蓄積されたデータを分析し、受注確度の高い顧客を予測する力が求められます。また、対面が当たり前だった商談をデジタル化し、オンライン上でも信頼を構築するスキルも重要です。

 


【企画・マーケティング職】
企画・マーケティング職では、より高度なデータ活用能力が求められます。膨大なデータを扱うためのSQL(データベースを操作するための専用言語)や、AIを用いた市場予測などの技術を理解し、施策の精度を高める必要があります。さらに、顧客体験を設計するUXデザインの思考法も、デジタル時代の戦略立案には欠かせません。

 

【管理部門(人事・総務・経理)】
管理部門(人事・総務・経理)では、オペレーションの「自動化」が中心となります。RPA(パソコン上の定型業務をソフトウエアのロボットが代行する技術)を活用して事務作業を効率化するスキルのほか、人事分野では「ピープルアナリティクス(データに基づき、従業員のエンゲージメント向上や最適な配置を分析する手法)」を導入し、経営に資するバックオフィスへの進化が期待されます。

階層別の育成ポイント

階層別のリスキリングにおいては、個人の生産性向上と組織全体の変革という、二つの異なる視点での教育が必要です。

【若手・中堅層】
若手・中堅層には、日々の業務にデジタルをどう組み込むかという「実装スキル」が求められます。既存の慣習をゼロベースで見直し、どう効率化できるか考える力を磨くことで、自発的な業務改善を促します。

 

【管理職・リーダー層】
一方で管理職・リーダー層には、組織の舵取り役としてデータに基づき冷静な判断を下す「意思決定スキル」が必要です。また、新しい技術の導入に伴う現場の反発を抑え、変革をスムーズに進めるためのチェンジマネジメント(組織の変化を管理し、従業員の意識や行動変容を支援する手法)を身に着けられるかが、組織全体のリスキリング成功の鍵を握ります。

5. 成果につながるリスキリング研修設計のポイント

効果的なリスキリング研修を設計するには、次の6つのポイントを押さえる必要があります。

① 目的・ゴールを「業務成果」で定義する

「DXを学ぶ」「AIを理解する」といった知識習得をゴールにするだけでは、現場の変化には結びつきません。「業務時間を○%削減する」「内製化率を高める」など、業務上の成果ベースでゴールを設定することが重要です。研修は”学ぶ場”ではなく”業務を変える施策”として位置づけましょう。

② 自社の課題・業務に直結した内容にカスタマイズする

汎用的な講義だけでは「いい話を聞いた」で終わりがちです。自社の事例や実際の業務データ、自部門の課題を研修の中で扱うことで、明日から業務で活かせる実践的な研修になります。「自分ごと化」できる設計がカギです。

③ 階層・役割別に設計する

リスキリングは社員に一律に実施する形では効果が出にくい施策です。若手には基礎スキル・デジタルリテラシー、中堅には業務改善・企画力、管理職には変革推進・マネジメントといったように、役割に応じて「誰に何を身につけてもらうか」を明確にすることが成功のポイントです。

④ 研修単発ではなく「実践・定着」まで設計する

1日の研修だけでは行動は変わりません。事前課題・演習・職場での実践・フォロー面談・振り返りといった継続型・伴走型の仕組みを取り入れ、「学習→実践→振り返り」のサイクルを設計することで、定着率が大きく向上します。

⑤ 上司・現場を巻き込み「学びを活かせる環境」をつくる

研修後に学びを活かす機会がなければスキルは定着しません。身に着けたスキルを実践する機会を与えたり、OJTと連動させたり、成果発表の場を作ったりするなど、職場ぐるみで学びを活かす環境を作れるかが成果を左右します。研修だけで完結させないことが重要です。

⑥ 効果測定とPDCAで継続改善する

研修は実施して終わりではなく、目標に対する達成度や現場での行動変容を定期的に測定し、振り返ることが不可欠です。うまくいかなかった点を次回の設計に反映するPDCAサイクルを回すことで、研修の質を継続的に高めることができます。

6. 研修会社をパートナーに選ぶメリット

コールセンターにおける心理的安全性とは

リスキリングという未知の領域に対し、自社のリソースだけで立ち向かうのは容易ではありません。専門の研修会社に依頼することで、以下のようなメリットを享受できます。

プロによるオーダーメイドのスキル設計

まず大きなメリットは、経営・事業戦略と密接に連動した「スキル設計」ができる点です。セゾンパーソナルプラスでは、クライアントが抱える課題やニーズに応じたオーダーメイドの研修メニューの提案が可能です。そのため研修のプロと共に、目先のスキル習得ではなく、中長期的な事業戦略を見据えた育成計画を立てられます。

階層・テーマに合わせたカリキュラムの最適化

次に、階層別・テーマ別のカスタマイズ性が挙げられます。リスキリングの対象は全社員に及びますが、営業、マーケティング、管理部門といった職種や、若手から経営層までの階層によって、必要な知識の粒度は異なります。画一的な eラーニングを提供するだけでなく、各社の課題に合わせてカリキュラムを最適化できる柔軟性は、外部パートナーならではの強みです。

学習から実践までを一気通貫で支援

また、「インプット・演習・現場活用」を一気通貫で支援できる点も重要です。セゾンパーソナルプラスの研修では、知識を得る「学習」で終わらせず、ワークショップや実務を模した演習を通じて「使えるスキル」へと昇華させます。さらに、研修後のフォローアップを通じて現場での実践を促すことで、スキルの定着を確実にします。

幅広いテーマの最新動向に対応

さらに、DXやAI、マネジメントといった多岐にわたる専門領域への対応力も魅力です。社内だけではカバーしきれない最新の技術動向やベストプラクティスを、各分野の第一線で活躍する専門講師から直接吸収できることは、受講者のモチベーション向上にも繋がります。

担当者の負担軽減

そして何より、人事担当者の運用負担を劇的に軽減できることが、組織にとって最大の利点と言えるでしょう。現状把握から研修の企画立案、運営、さらには実施後の効果測定まで一貫したサポートが受けられるため、担当者は人材の最適な配置など、より付加価値が高い業務へと集中できます。

7. まとめ:変化の時代に、リスキリング研修は必須の施策

リスキリング研修は、もはや「余裕があればやる」ものではなく、企業が生き残るために必須の施策になっています。変化の激しい時代だからこそ、社員の継続的なスキル習得は事業の成長に必須であり、そこに投資する企業が選ばれるようになっています。


セゾンパーソナルプラスではお客様ごとの課題や目的に応じて、オーダーメイドのリスキリング研修をご提案することが可能です。また、30年以上にわたって人材研修を支援する中で、累計20,000件以上の豊富な実績があります。自社のリソースに限りがあり、リスキリング研修まで実施するのは難しいと悩んでいる企業は、ぜひセゾンパーソナルプラスの専門知識と豊富な実績の活用を検討してみてください

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